とある民族音楽学者の日記

長年のフランス生活で培ったノウハウをシェアしたいと思います。よろしくお願いします。

フランス語①

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Je veux .....! 私は、・・・がほしい!(あるいは、私は、・・・したい!)という時の表現についてです。フランス語を勉強するときに、かなり早い段階でこの表現を習います。後ろに名詞や動詞をつければ、したいことがなんでも言えます。

 

今度、面接を受けるというフランス語ビギナーの方をお手伝いしていて、気づきました。これを習う初級の段階では、希望を言うことが目的なので、そのニュアンスについては習いません。

これさえ覚えておけば、レストランで注文するとき、人に希望を伝えるとき、したいことがあるとき、とても便利な表現ですが、実はちょっと落とし穴があります。

 

実は、この表現とても直接的なんです。言葉を覚え始めた子供が頻発するのも、この表現。この表現は、TPOによっては、とても未熟な印象を与えてしまいます。

 

これを、conditionnelのJe voudrais... に変えるだけでも、かなり印象が変わります。レストランなどでは、これで大丈夫です。

 

英語を習った方はご存知でしょうが、英語は敬語がないと言われているものの、丁寧な表現や相手へのリスペクトを表す表現はあります。フランス語もしかりです。

面接などオフィシャルな場面では、さらに、souhaiter(希望する)のJe souhaiteraisに変えれば、子供っぽさはなくなります。ただ、面接の場合は、面接される側の強い意思を示す必要があります。そのときは、vouloirを使う場合もあるかもしれません。私は個人的には、vouloirよりも「私はするんだ」という気持ちを示すために、「J'ai besoin de...(・・・の必要がある)」などの表現と合わせて、固い意思や強い希望の他に、必然性も示すようにしています。

 

ネイティブでないので、奇をてらった表現をしても、変にうつってしまいます。それが完璧にできたとしても、おそらく面接官の集中力が「私の話す内容」から「フランス語が下手なアジア人が、以外にも使えた表現への驚き」に一瞬でも写ってしまいます。それでは元も子もありません。そうでなくとも緊張する場面。フランス語を習い始めた頃から使っているシンプルな表現で、端的に表すことを心がけています。

 

今日のポイントの1つ目は、Je veux.....!よりも、Je voudrais....のほうがニュアンスが柔らかくなるということ、2つ目は、面接では背伸びをせずにシンプルに!です。