とある民族音楽学者の日記

長年のフランス生活で培ったノウハウをシェアしたいと思います。よろしくお願いします。

音楽留学について②〜先生の探し方

コンセルバトワールに入る場合、基本的には入学試験(Concours d'entrée)があります。その前に、先生に声を聞いてもらうことも可能です。

私がいつもしているのは、興味のあるコンセルバトワールに電話して、先生につないでもらったり、レッスン日時を聞いて直接訪ねてみたり、はたまた学校公開日(Porte ouverte)に行って、声を聞いてもらったりしています。

行く時には、何を求められても歌えるように、入りたい課程に必要なレパートリーは用意していきます。声によって、「じゃあ、次はこれ歌える?」などと振られることもあるので、私はこれを歌うぞ!と決めたものだけでなく、その前後(それより重い・軽いレパートリー)も用意しておくと、突然のふりにも対応できます。

コンセルバトワールには、伴奏の先生かコレペティ(Chef de chant)がいるので、伴奏は用意しなくても大丈夫です。ただ、小さな学校では、コレペティでなく器楽の伴奏もかねてる伴奏の先生がいる場合もあるので、歌っている最中、何が起こってもあわてないでください。

 

このようにして、先生に気に入られれば、入試がちょっと気楽になります。

正直、入試の前に「あなたをとる!」と思わせれば、課程はどうであれ入れる確率があがると思います。ただ、最近ではCRDやCRRの入試を、地域圏で一括して取る場合がある(学校によってレベルが変わるのを防ぐため)ので、その場合は話は別です。その場合は、学校の校長先生、他の地域から呼ばれたゲストの審査員などが審査員となり、希望する学校の声楽教師は、選択権がないからです。

 

学校によっては、入試が9月末から11月ころにあり、それまでの一定期間、希望する学校で希望する先生と入試の準備ができる場合があります。学校によって制度がかわりますので、希望する場所を見つけたら、電話して聞くのがベストです。

 

ちなみに、パリ在住者でも郊外に行くのは普通にあります。26歳(27歳?)以下ならフランス国鉄の切符が半額で買えるし、様々な割引チケットもあるので、パリに住みつつリヨンにかよう、とか地方に住みつつ別な地方に通う、ということも留学生のみならずフランス人もしています。

 

 

有名校でなくても、地方にもいい先生はいますし、かつて通っていたパリ郊外の学校のコレペティはCNSMのコレペティでした。

可能性が1つだと思うわずに、気になる先生・学校があったら、コンタクトを取る、が夢への近道です。